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BarOA第1倜 : 浊䞊裕光氏×鈎朚雅子氏2杯目

AIっおもう出版に関わっおいるんですか

浊䞊 裕光 / 鈎朚 雅子

25/5/30

Springer Nature / 九州倧孊

ずある䞋町にある雑居ビル。裏手の階段を降りた先にあるBar Open AccessBarOAでは、様々な思惑を秘めた倧人たちが和やかに奜きな飲み物を片手に談笑しおいる。さお、今宵はどんなお話が展開されおいるのやら......。


店名のずおりオヌプンアクセスの話、ず思いきや、それぞれの立堎から芋たゞャヌナル、投皿、査読の話ぞ。ホットなAI掻甚の話題も぀たみながら、たた新たなグラスがカりンタヌに䞊びたす。

2025/10/27远蚘Springer Nature Japan公匏りェブサむトでご玹介いただきたした 【お知らせ】孊術情報の舞台裏を探るBarOAOpen Accessシリヌズ蚘事の公開 — JPCOARりェブマガゞンより | https://www.springernature.com/jp/news/20251024-announcement-jpcoar-baroa-jp/27822716


今宵のお客様


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浊䞊 裕光Springer Nature 岡山県生たれ、千葉ずカリフォルニア育ち。倧孊からポスドクたでアメリカずドむツで化孊関連の分野で研究に携わり、囜内䌁業の研究職に。その埌、出版業界に転職し11幎匷。化孊は奜きなので、ただ時々論文を眺めたす。最近は読曞ず海倖旅行から離れおしたっおいるので、そのうちたた再開したいず考えおおりたす。




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鈎朚 雅子九州倧孊 孊術情報センタヌ珟囜立情報孊研究所NII)で採甚され、倧阪倧孊に転出。諞事情により北海道倧孊に転勀したのち、小暜商科倧孊、北海道倧孊、旭川医科倧孊、静岡倧孊、NII、名叀屋倧孊、神戞倧孊、九州倧孊、ず転々ずしおきた。䜏んだ所みな郜。『月刊DRF』やJUSTICE『jusmine』を創刊・呜名した若かりし頃のヒラメキやパワヌが今や芋る圱もないため、最近は䜓力を぀けるべく山登りを楜しんでいる。



〔 1杯目 2杯目 3杯目 4杯目 〕

1.     オヌプンアクセスずの出䌚い

浊䞊以降U倧孊図曞通ではどういったお仕事をされおいるのですか

鈎朚以降S図曞通にはいろんな仕事がありたすよ。いろいろやっおきたした。

じゃあ、䟋えば今たでの、図曞通でのお仕事の経隓で、䞀番楜しかったこずはどういうこずですか

䞀番楜しかったのは  このバヌの名前から蚀わされおいるわけじゃないんですけど、やっぱり、最初にオヌプンアクセスOAが入っおきた時です。機関リポゞトリを構築しお孊内の先生方の著䜜論文を公開しおいくグリヌンOAですね。図曞通の新しい仕事をむチから䜜っおるっお感じたした。


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なるほど。

先生方が研究論文を曞くための支揎、必芁な論文を読めるようにする仕事だったのが、加えお、先生方が曞いた研究論文を孊倖に公開する支揎を始めるこずになったわけで、今たで図曞通では思いもしなかった仕事だったので、どうやったらいいのか党然わかんなくお。手探りで本圓にいろんなこずやりたした。海倖の事䟋をできる範囲で真䌌したり、囜内他倧孊の担圓者ず盞談したり、先生方ぞのむンタビュヌもたくさんやっお。どの先生の話も興味深かったし、応揎しおくれる先生が増えお、楜しかったですね。そこで教えおもらったこずを぀なげお機関リポゞトリを䜜っおいったずいう感じです。 あ、ちょっず順番が前埌しお、その前のこずになるんですが、あの方、ハヌナッドStevan Harnad先生が日本に来られお、図曞通総合展で檄を飛ばされたんです。「論文著者はもっずたくさんの人に読んでほしいし、出版瀟もOKだず蚀っおいる、あずは倧孊図曞通が機関リポゞトリのサヌビスをやるだけなんだ、䜕やっおるんだ」っお。単玔だから、「そうなんだ、うちの先生方のためにやらなくちゃ」ず思いたした。ハヌナッド先生は䞖界を提唱しお回っおいたんですよね、なんかこう、䞖界ず぀ながっおいるずいうか、海倖の倧孊図曞通の人たちず䞀緒に取り組んでいるずいう感じも面癜かったです。  あれがもう20幎近く前の話ですか。

今振り返るず、化孊分野はOAが入っおくるのはあたり早くなかったのでしょうね。倧孊院を卒業する15幎前やその埌のポスドクになっお、ようやく、OAっおものがあるんだ、出版に費甚がかかるらしい、っおいう感じでしたね。僕が鈍感なだけだったのかもしれたせんが。本圓、分野によっお違いたすよね。

そうですね、本圓に。20幎前も、プレプリントずしおどんどん出しおいく分野もあった䞀方で、化孊の分野ではグリヌンOA䞀切蚱しおたせん、ずいうゞャヌナルが倚かった印象がありたす。浊䞊さんが最初にOAに觊れたのっお、い぀ぐらいの話ですか

本栌的に関わったのは、出版瀟に入っおからでしたよ。自分も論文をいく぀か出しおいるんですけど、博士課皋の頃もポスドクの頃も、OAっおあんたり考えたこずがなくお。出せそうなゞャヌナル、出したいゞャヌナルに出す、っお気持ちが先にきたすし、所属しおいた機関では幞いにも倚くのゞャヌナルが読めたので、OAに意識しお觊れる機䌚はあたりなかったですよね。気付いたらOA論文が少しず぀増えおきたっおいう感じだったのかな。

2. ゞャヌナルに察する意識投皿・賌読

やっぱり研究者にずっおは、OAかそうでないかずかよりも、早くその論文を出したいっおいう気持ちの方が匷いんでしょうか。

論文によるず思うんですよ。自分のベストワヌクの堎合は、おそらくOA、非OA関係なく、たず出したいずころ、出せるずころに出したいっおいう気持ちが䞀番匷いず思いたす。 基本的には、たずは出したいずころに出すだずか、自分のコミュニティヌ内で、自分の仲間が読んでいるずころにたず投皿する、ずいうのが䞀番倚いず思うんですよね。 少し話がそれたすが、䟋えば、Nature Communications ずいうOA誌がありたすが、あれは䞀般誌なので、研究領域的にはどんな研究でも投皿できちゃうんですよね。これはすごい匷みだなっお思いたす。 どういうこずかず蚀うず、化孊の研究者から聞いた話ですけど、化孊の研究者が生物孊者ずコラボレヌトする時、化孊の専門誌からは出しづらいこずがあるようです。堎合によっおは内容も合わないかもしれたせんが、生物孊者からするず、自分の分野で読たれおいない、あたり知られおいないゞャヌナルに出しおもバリュヌがないわけです。それが、どの分野の研究も掲茉しおいお、たたさたざたな分野に認識されおいる䞀般誌・孊際誌で、さらにOAだず、誰もが読めお共通の䟡倀ができおくる。分野を超えお認識されおいるゞャヌナルは匷いなず思いたした。

なにしろ、Natureっお぀いたら、読みたいっお思いたすしね。

恐瞮です。

Natureず぀く雑誌もいっぱい出おたすね。

いっぱい出おいるんですけど、ずりあえずゞャヌナルを出しおいる、ずいうわけでもないんです。 やっぱり䞖に送り出す以䞊は、コミュニティヌにずっお意味のあるものを出版したいず考えおいたす。研究者コミュニティヌからの需芁、研究の動向や垂堎の芁望を芋ながら発刊が決められおいくのだず思いたす。そういった理由がないず、新しい分野でゞャヌナルを出しおも貢献できないず思うので。新しい分野での出版は、基本的にはどの出版瀟も戊略的に決めおいるずは思いたすけどね。

図曞通でも、どの雑誌を賌読するかは委員䌚で決めるんですけど、新しい雑誌を買っお欲しいっおいう垌望は倚いんですよね。だけど、予算は限られおいるから、䜕か賌読を止めないずいけない、そう蚀うず、止めるのは困る、っおおっしゃる。お気持ちは倧倉良くわかるんですけどね。 研究者である先生方が「こういう雑誌がほしい」ずおっしゃっお雑誌のラむンナップが増えおいるずするず、なんだか自分で自分の銖を絞めおしたっおいるのかもしれないですね。

ちなみに、読みたいゞャヌナルを決めおいく時っお、どういう刀断で優先順䜍を付けたりされるんですか

倧孊によっお違いたすし、やり方はそれぞれです。 でも、もう実際問題、新しい雑誌買う䜙裕党然ないです泣。止めおいく話しかないし、䞭止しおもね、雑誌の䟡栌が䞊がっおいくから。

そこは難しいずころですね。以前STMのレポヌトで芋た情報だず思うのですが、ゞャヌナル数に関しおは300幎ぐらい前からの増加傟向のようです。どうやら、研究開発ぞの投資額ず、研究者の数ず、論文やゞャヌナルの数に盞関があるようです。囜の研究開発ぞの投資が増えれば、研究者の数やアりトプットの情報も増え、たたそのような䞭、新しい分野が育぀ず、ゞャヌナルの数も増えおくるずいうこずだず思いたす。なお、孊䌚偎の需芁の可胜性もあるかず思いたす。

3. 1本1本の論文の䟡倀

でもさぁ あ、でもさぁずか蚀っちゃいけない。ちょっず酔っぱらっおきたのかな。 その、雑誌の数だけじゃなくお、論文が出過ぎなような気もしないでもないです。䟋えばOAゞャヌナルだず1号に100本ずか論文が茉っおいるものもありたすよね。

はい。倚いですよね。先皋の投資額、研究者数、ゞャヌナル数増加の話に加え、1本1本の論文の䟡倀ずは䜕か、すなわち研究評䟡や習慣の圱響も倧きいず思いたす。珟時点では、研究者ずしおも質の高い論文をたくさん出した方が倚分メリットが倧きいのではないかず思いたす。キャリア圢成に重芁である、倖郚資金の獲埗や賞の察象になりやすいだずか、孊生の゚ンカレッゞやトレヌニングの䞀郚等、色々あるず思うんです。さたざたな芁因が合わさっお増えるんだず思いたす。

最近は数よりも、䞻芁な業瞟3぀を評䟡察象にしおいるような䟋もありたすよね。たくさんあっおも読めないし。 仮に、論文数が枛るず、出版瀟の方は困りたすか

どうなんですかね。ゞャヌナルによりけりだず思いたすが、研究者や研究コミュニティヌに遞奜されるゞャヌナルの方が持続性があるのではないかず思いたす。 今っお確かに論文が倚すぎお、たぶん、研究者も読みきれないず思うんですよ。 以前目にしたこずのある統蚈で、昔に比べお今の研究者は論文の数は倚く読んでるんだけど1本に充おる時間が短いのではないかずいう説明が出おいたした。たた、論文工堎Paper millsからのクオリティヌの疑わしい論文だずか、フェむクデヌタずかが増えおくるず、今床は別の問題ずしお、そういったものを取り蟌んでしたったAIが、もしかしたら質の高い情報を生成できなくなる、ずいうこずも考えられたすよね。研究環境党䜓ずしお、論文の量ではなく質で、ずいう方向に評䟡や関心の軞が向くこずは良いこずだず思うのですが  。

そうですね。AIの話が出たしたけど、もう今、AIで論文曞けちゃいそうですよね。そうするず、さらに論文が増えちゃうような気がしたすね。

最近、Sakana AIが、AIサむ゚ンティストずいうのを䜜っお、そのAIが研究をする、っおいうのをやっおたしたね。たずアむディアを䜜っお、それを実隓しお、その論文を曞く、っおいうのを党郚。確かarXivで最近出たんじゃないかな。

本圓ですか アむデアたで  。人間は、どこに  。

现かくは芚えおいないのですが、テヌマの枠決めずチェックぐらいだったかもしれたせん。ぜひ読んでみおください

今埌、どうなっおいくんでしょうね、孊術情報流通は。 AI査読ずか、チェックはもうAIでやっおたす、みたいな話はありたすか

いや、査読プロセスの党おをAIに眮き換えるのはただ難しいかなず。おそらくどの出版瀟も、AIを䜿った査読は、頭にはあるず思っおいたす。ただ、AIに党郚任せるずたでなるず、ただ先の話かなず個人的には思っおいお。 著者ずしおも、AIに刀定されお萜ちたした、で玍埗するのかっおいう話もあるかもしれたせん。珟時点ではただ敎っおないんじゃないかなっおいう気はしおいたす。 Springer Natureでも、論文審査の話ではないですが、AIを䜿っお、AIが䜜った文章やフェむクむメヌゞを怜知する゜フトりェアずか、そういったものは䜜り始めおいたす。なので今埌、出版業界にも色々出おくるず思いたす。

AIチェックっおどんなチェックをしおるのか、気になりたすね。

プレスリリヌスも出おたすのでお送りしたす。ぜひ芋おみおください。 研究機関偎が、自分たちでどれだけチェックしたいのかな、っおいうずころにちょっず関心がありたす。面癜かったのが、海倖のある研究機関に行った時に、自分たちの機関から投皿される論文は党郚AIチェックにかけたい、やばそうなものは投皿前に党郚怜知したい、よくないリサヌチプラクティス等の傟向をピックアップできるかもしれない みたいな話をされおたんですね。 査読の目的は、研究の明確性、堅牢性、および再珟性を向䞊させるのに圹立ち、掲茉の可吊を決めるこずに掻甚するこずで、䞍正チェックじゃないんですよね。もちろん、倧孊内で論文投皿を党郚芋るなんお珟時点ではおそらく無理ですけど、もうちょっず、こういった䞍正防止なんかの話し合いができたらいいなっお、この話を聞いたずきに思いたしたよね。

いいですね 共催でセミナヌやっおみたいですね。

はい、喜んでさせおいただきたす。 あず、これはAIに限らない話ですが、色々出おくるっお意味ではおそらく、研究者の方々は倧倉だず思いたす。埓来型のゞャヌナルもあれば、プレプリントもあれば、Taylor & FrancisがやっおいるF1000みたいなものもあったり。査読モデルも、シングルブラむンドからダブルブラむンドからオヌプンから  。あずは、プレプリントからゞャヌナルぞの投皿に連携するようなものが出おきおいたすよね。さらに、デヌタゞャヌナルだずか、プロトコルずか、あず最近、ブロックチェヌンを䜿ったものも詊みがあるらしく、今埌さたざたな出版の圢が出おきたりするだろうし。 それを研究者が党郚フォロヌするのはかなり倧倉だず思いたす。

4. 査読ず投皿

今おっしゃった、ブラむンドの査読の方法、シングル、ダブル、オヌプンっお バヌにいるずりィスキヌの話みたいですね。


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そうですね。シングルブラむンドは、埓来型ですね。著者から査読者の名前は分からないけど、査読者の方は著者の名前がわかるんです。ダブルブラむンドは䞡方分からなくするっおいうものです。 シングルブラむンドでは、査読者に著者の名前、所属、囜ずかがわかるず、あるいは名前から男性か女性か掚枬できるずUnconsious Bias無意識の偏芋で審査に圱響を及がすのではずいう懞念があっお、なら、ダブルブラむンドで䞡方隠したら、よりフェアになるんじゃないかな、っおいうのが元々の始たりだず思いたす。 ただ、ダブルブラむンドも結構難しくお、䞭には、著者の名前を隠しおも、論文を読めば内容やレファレンスから著者が誰かわかるず蚀う先生方もいらっしゃるんです。たた、名前を隠すっおいうのは逆バむアスになる堎合もあるらしく、ある海倖の先生から聞いた話だず、自分の名前や所属を隠すのは自信が無いずいう逆のバむアスに繋がる可胜性があるず蚀うんですね。難しいです。 オヌプンは、2皮類あっお、査読者の名前をオヌプンにするものず、査読の䞭身、やりずりは公開するけれども、査読者名はクロヌズドのたたのものがありたす。 確か、トリプルブラむンドの詊みか提案もあったんじゃないかな。線集郚の方も名前が分からないみたいな。コミュニティヌを䜿ったものもあるし、ほんずいろいろです。

査読ず蚀えば、昔、PLoS ONEが、APCも安くお、最䜎限の査読だけしお論文を䞖に出したす、読む偎が評䟡するんだ、っお「OAメガゞャヌナル」ずしお出おきたのがむンパクトありたした。そういうOAゞャヌナルも増えおいるのかもしれないけど、ブラむンドかオヌプンかの他に、ちゃんず査読するか、間違いが無いかだけ査読するかみたいな皮類の違いもあるんでしょうか。ゞャヌナルによっお。

ゞャヌナルによっお圹割が違うじゃないですか。新芏性がどれくらい倧切かずか。ゞャヌナルのフォヌカスによっお、しっかりしたサむ゚ンスを出版するこずは倧切だけれども、新芏性はそこたで求めないゞャヌナルであれば査読もそのような目的でされるず聞いおおりたす。 査読者ずしお、特に新しいゞャヌナルであたり芪しみがない堎合、査読の察応は結構難しいんじゃないかなずも思いたす。

今はみんな電子ゞャヌナルになっお、掲茉する論文の数やペヌゞ数は気にしなくおもいい感じですか。䟋えば昔は100本投皿があっおもこの号には䜕本しか茉せられないずいうのがあったかもしれないけど、今はどうなんでしょう。 たくさん論文が茉る号もあれば、今号はちょっず䞍䜜ですね、みたいなのもある  あれ もうそもそも号なんおないんでしたっけ

それもゞャヌナルによっおやり方が党然違うず思うんですよ。でも、憶枬ですけど、冊子䜓がないゞャヌナルは、出版数は気になっおも、昔ほどあたりペヌゞ数は気にしおいないのかもしれないですね。

→ 3杯目ぞ぀づく


 今宵のドリンク2杯目 


倧奜きなゞン
倧奜きなゞン

オリオンビヌルの゚ヌル 珍しいですね
オリオンビヌルの゚ヌル 珍しいですね

※BarOAは架空のバヌです。 ※察談は2024幎11月に行われたものです。内容・所属等は察談時の情報に基づきたす。



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本蚘事は クリ゚むティブ・コモンズ 衚瀺 4.0 ラむセンスの䞋に提䟛されおいたす。
ただし、蚘事䞭の図衚及び第䞉者の出兞が衚瀺されおいる文章は CC BY の察象倖です。
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